2006年6月12日 独り言

 
さて、みなさま元気だったでしょうか?今日は自分の独り言につきあってください。
 雄勝法印神楽を見て頂くうえで、ちょっと変わった見方ができます。それはこの舞はどのレベルの奴が舞っているのか?という見方です。それと、神楽師から見たそれぞれの演目がどういったスキルに繋がるかという楽屋的見方です。



 ・初矢            → 基本の舞で新人や経験年数の浅い若手が修練の為に舞っている役柄

 ・四天            → 道祖や五矢を舞う基本を先輩と一緒に修練する舞

 ・魔王退治(魔王役)   → 場を盛り上げる芸能的要素や笑われるのではなく笑わせる所作を学ぶ組神楽

 ・岩戸開          → 荒型や女舞の基本を習得する大切な神楽

 ・五矢            → いわゆる魅せる神楽でありカンナギの重要性を学ぶ神楽

 ・道祖            → 鬼門に繋がる神楽で中堅クラスにあがれるかどうかの登竜門的な舞

 ・蛭児(タコ役や買付人 )→ 即興劇的要素、観衆客と一体になる呼吸を学ぶ役柄

 ・笹結            → 日本武尊に繋がる登竜門

 ・鬼門            → 芸を極めた職人の舞

 ・蛭児(翁役)       → 基本的に師範クラスで、地舞・表現力・カンナギの集大成



といったような見方ができると思われます。

すなわち、修練課程でいえば

 ・初矢 → 四天 → 道祖 → 五矢 → 知慶 → 蛭児の翁

 ・岩戸開の天津神 → 岩戸開の手力男 → 笹結 → 魔王退治のスサノウ → 日本武尊・産屋の荒型

 ・岩戸開のウヅメ → 産屋の玉依姫 → 日本武尊の姫(悪鬼)・産屋の豊玉姫

 特徴的役柄の要素

 ・知慶           → 解説役であり昔話の語り手役。いわゆる「むかーしむかしのことじゃったー」の役
 ・荒型           → 基本的に善の役柄で、悪役の荒型は岩戸開のスサノウ・釣弓の火スソリの尊
 ※ ちなみにスサノウは岩戸開以外では善役で、やんちゃ坊主が世間の荒波に揉まれまっとうな神になる
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ちなみに上級役柄を学ぶ上で押さえておきたい演目

・道祖 ← 初矢 四天

・空所 ← 道祖

・知慶 ← 道祖

・荒神舞 ← 道祖

・鬼門 ← 道祖 五矢 岩戸開の荒型

・蛭児 ← 知慶

これらをふまえて言えることは、初矢はとても重要であり何年経ってもこれをおろそかにはできないという事だと思います。

なお、舞えると上手いは別物であり、舞の完成を進めるうえで、胴取りや笛は必ず習得しなければならないと思われます。


    







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