2006年10月19日 新山神社例大祭2006の巻
今年の新山神社祭典は素晴らしい天候に恵まれました。今回は数年に一度の御輿渡御の囃子が私の地区担当でしたので、午前中は御輿の笛担当、そして午後から神楽に参加しました。ということは、はじめに奉納する神楽の初矢や四天、岩戸開には間に合わなかった訳です。
楽屋に入ったときは以上3番が終了し、昼食時でした。午後・夜神楽は魔王、小学生の初矢、五矢、笹結、日本武尊、道祖、蛭児、所望分、鬼門、産屋などを奉納しました。私の出番は笹結の尊、所望分の天合の命、鬼門、産屋の玉より姫でした。合計4番、何故か出番が少なかったです。自分の頭の中では魔王退治の魔王、道祖、蛭児のタコ、で合計7番かなって思っていたのですが、何故か他の先輩方が舞ってくれたのです。しかも夜神楽の一番目道祖は衣装を途中までつけたのに、別な先生が「オレが舞うから」っと言いだし、変な気分でいました。理由がわかったのが大分番数が進んでからで、自分に習得したばかりの鬼門を舞わせる機会を与える為だったのです。
鬼門は、地舞と荒型舞の二部構成からなり、しかも地舞最高の神楽いわれる道祖にすら使われない複雑な寅踏みや後半には真剣で綱を切る場面もある為、体力と精神力を要する舞なのです。
今、実際にこの舞をこなすのは二十数名の会員の中で5人位いますが、一番年の近い方でも私より約20歳上であり、後継者育成の観点から、神楽大会の為に習得した舞を醸成させようという取り計らいがあったと思います。
いよいよ鬼門です。雄勝地区新山神社で夜神楽の主役を張るということは私にとってはじめての経験でした。神楽大会以来この舞を舞う機会がなく、とても緊張したのですが、大会後も自主練習をしていたおかげで、地舞は無事こなせました。事件が起きたのは面をかえ、荒型舞にうつってすぐのことでした。ふとした拍子に扇子を落としてしまったのです。幸い先輩がすぐに拾ってくれて事なきを得たのですが、必要以上に緊張した故の失態でした。その後は無事に舞いきったのですが唯一そのことが悔やまれてなりません。
しかし、楽屋に戻ったとき、「よく習得したね。神楽大会より上手だった。」と優しい声を先生に掛けて頂きました。やはり私のミスなんて想定の範囲内なんでしょうね。トホホ・・・
おなぐさみのやさしい言葉を受けていたとき、「○○君、地舞すごく上手になったなぁ」っと先生方のなかで一番辛口が人が珍しく褒めてくれました。「一皮むけた。地舞を精進させるのは地味なだけに難しい。よく頑張った。」最高の賛辞です。ありえない一言に笑ってとぼけていたら、「オレだって人を褒めることあんだよ」と辛口な先生がニヤリとしました。とても嬉しくなり、さらなる精進を胸に誓う一日となったのでした。