2001年4月12日 初舞台の巻
すばらしい天候 すばらしいお祭り日より んでもって俺の初舞台であります。。。
通常神楽師は10時頃に宮守宅に集合します。でも、今回初舞台となる俺ともう一人は神社に参拝することになり8時過ぎに到着。
神社では係の人たちと御輿の担ぎ手が御輿の準備をしていました。邪魔になってはまずいと思い端っこによってこそこそしていたら、すばらしく年上の方が「今日は大変ご苦労様です。」「用事がありましたらいつでも呼んでください。」といわれ丁重にあつかわれてしまいました。通常あり得ないことが起きたのでそりゃもうびっくりしたのなんのって・・・しばらく何でかわからなかったが、ふと自分の姿を見たらなるほど、装束だけは一人前の神楽師だったんですねぇー。 まだまだ半人前。。でも周りから見れば立派な神楽師ということに気づきこりゃますます精進せねば!!と思った一コマでした。
しばらくして、宮司さんが到着し、打ち鳴らしの音が響きわたり神事が始まりました。緊張しっぱなしの中、何とか無事終了し、御輿渡御が始まり神社を後にし、宮守へ向かいました。
楽屋に入り、道具作りをはじめます。俺も先輩の真似をしお手伝いしました。一カ所の祭典に呼ばれる神楽師は9名〜12名です。
湯立ての神事が終わり神楽奉納時間が近づき緊張している俺に先輩たちはとてもやさしい声をかけてくれます。
「初舞台かぁ緊張すんだよなぁー」
「観客の目が肥えているから一カ所でも間違うと笑われるんだよ」
「よく舞台からおちるんだよなぁ」
・・・・・・・・・・・・・みんなとてもいい先輩たちです。
今日は予定通り「初矢」から始まります。この舞に使う面(おもて)なんですが、実はほとんど視界が確保されてないんです。練習時に何度かつけて練習しましたが、そう簡単になれるようなものではないのです。そのためビギナーは舞台から落ちたり他の人にぶつかったりするわけなんです。
そんな状況で唯一の救いは本来一人で舞う神楽なのですが今日は同期入門の人が一緒なので、二人で初矢を舞えるということです。(後にそれが舞の難度を上げる結果に・・・)着付けが上手にできないので先生に着せてもらい面を付けて準備完了!!
太鼓が打ち鳴らされ向かい合う形で二人は舞台に座りました。舞の始まりです。
神楽の所作は笛と太鼓と歌に合わせ「間」で次の動作に入るんですけど、素人同然の我々二人は大体の音の区切りがかろうじてわかっている程度・・・ということはお互いの動作に誤差が生じるという事態を招く訳なんです。通常一人舞では存在しない難敵に四苦八苦する素人二人「目で見たらいいでしょ・・・」って思うけど面を付け視野が非常に狭い中で相手を見るということは無駄に首が動いてかなり見栄えが悪い・・・
緊張感はどこえやら、もう自分と同僚の世界、格闘すること30分・・・・・・・・
無事終わり楽屋へ引っ込むと先輩たちの暖かい拍手 いっぱい褒めて頂きました。
やれやれ、一息付けるなぁーっっっと思った直後「次 すぐ四天ね。準備して」ていわれ余韻に浸るまもなく四天の準備をし面を付け先輩二人と我々二人計四人の組神楽・・・先輩と一緒の安心感で緊張はしないで済みました。ところが新たな難問が出現!!神楽の舞台は二間×二間半(10畳)に太鼓二基が設置される為、実質スペースはせいぜい六畳・・・そう、狭いんです。落ちないように細心の注意を払いつつ舞う難しさ「こりゃ大変だー」って思った瞬間!!??同僚が消えた。。。そう、彼は舞台の下へ・・・・落下。
幸い何事もなかった。その後も何とかこなし無事終了。
楽屋へ戻り、すぐに「次は魔王ね」って・・またまた面を変え舞台へ出陣!!がんばること30分 無事楽屋へ帰還。
「はい。次は岩戸開き」・・・舞台へ突撃!!気合いで40分 何とか楽屋へご帰還
「ごくろうさん。あと休憩」
の一言でやっと休めたのでした。新人は以上の四つの舞をこなすのが常識なのです。ちなみにこの時点ではこの四つしか舞えない俺でした。つまり、舞台終了までずーっと休憩だったわけです。
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