魔王退治(まおうたいじ)
数々の乱行により、手足の爪を抜かれて高天原から追放された素戔嗚尊(スサノウノミコト)は、自分がわがままであったことを悔い、良い神になろうと諸国を巡って修行を積みました。
そのような修行の最中、あるところに、魔王が群れを成して出没し、さまざまな妨げを繰り返し、住民は生業ができず悩み苦しんでいる切実な実情に直面しました。
素戔嗚尊は、人々の為に、この魔王魔群を退治し服従させ安住楽土を築いたという舞です。
魔王は、道化的要素に富んでいて、地元では子ども達に非常に人気の演目です。3人の魔王が1m50cmほどの竹を互いに持ち、組んで舞う場面は見せ場一つです。魔王役が難しいとされるのは、「笑われる」のではなく「笑わせる」ところであり、舞台の成否は魔王役にかかっているといってもいいほどです。